増島みどりさん著 シドニーへ 彼女たちの42.195km
を読みました。
オリンピックなもんで。
でも、アテネですらない、シドニーですけど(笑)
女子マラソン代表の高橋尚子、山口衛里、市橋有里だけでなく、
補欠だった小幡佳代子、選考にもれた弘山晴美、有森裕子…
徹底取材によるドキュメントです。
一言で言うと、壮絶です。
彼女らは、本当に過酷な練習をしています。
42.195kmは練習に比べたら苦しくなんかないのだそうです。
このときの代表選考は、
世界陸上の銀メダルを取って早々内定をとった市橋が1枚。
残り2枚の切符を高橋、山口、弘山の3人が争いました。
3人全てが選考レースで申し分ない結果を出しており、
あまりに3人がすばらしかった為、
先に決まってた市橋のことまでいろいろ取り沙汰されました。
女子マラソンはいつももめますね。
私が強烈におぼえているのは、私を選んでくださいと涙ながらに訴えた松野明美さん。
選んでほしかった。
有森さんが結果的にメダルを取ったので、陸連は面目を保った形だけど、
選考レースって何なの?って強く思いました。
ただ、松野明美さんも苦しんだと思うけど、
選考レースに出ずに選ばれた有森さんも周囲の雑音がうるさかっただろうなって思います。
話がそれましたが、女子マラソンの選考のことを言い出すと
いっぱいいっぱい言いたいことが出てきてしまうのでおいときます。
とにかく、この本を読んで、
マラソンランナーたちの恐ろしいまでのストイックさ、
走るということへのひたむきさは、
想像を超えているということを知りました。
弘山さんのコーチであるご主人が彼女の走ること・勝つことへの執念は
ほとんど狂気の沙汰だと表現しています。
山口さんは、脱水症状で練習中に倒れても
まだ走れますと朦朧とした意識で何度も繰り返したといいます。
どの登場人物も、走ることに対してものすごい執念があって、
それはどの競技の選手でも同じなんだろうか?
正直、プロ野球選手とか、そんな風には見えないけどって思ってしまいました。
北京オリンピックが開幕しました。
今回も日本の期待を背負って
野口みずきさん、土佐礼子さん、中村友梨香さんの3人が代表として
北京のコースを走ります。
正直、平坦な北京のコースは、外国人選手に有利だとは思います。
でも、死に物狂いで練習してオリンピックにかけてきた選手たちが
自分に納得のいくレースができるように願ってやみません。
そして、本当に納得のいくレースが3人ともできたなら、
メダル複数いけるかもしれませんよ。
そんな期待を持ってもいいじゃないですか。
レースが始まる前までは。